藤井一彦
2009年06月24日
ROUTE 09 / THE GROOVERS
なぜか貧乏暇無しの無間地獄にはまりこんでいるような日々。
お金を稼ぐことができない仕事というのは、果たして仕事というべきなのか?ボランティアといったほうがいいのか?そもそも他人様のお役に立ってない行為だとしたら、どんなに大儀を掲げてもそれは「趣味」でしかないのかもしれない・・・などとバカな考えを巡らしてていたら夜が明けてしまい、そして気がついたら昨日一日の作業成果がブルースクリーンと共に消し飛んでしまっていた。昨日のバックアップ・スケジュールも正常に終えてないなんて。これは明らかに仕事ではない。SMの世界だ。
ぷっつんしてしまった今、もう耳鳴りの悪化などどうでもよく(いや、後でやっぱり後悔したのだが・・・)、ヘッドホンの音量を限界まで上げて、神経を逆撫でさせて、そして今日の気持ちの落としどころを探った。
“ADVANCE MEMBERSHIP”などというシステムで販売されたGrooversの『ROUTE 09』というアルバム。
注文して何ヶ月待ったことだろう?じらしてくれるよな〜。
個人的には、以前から耳に残っているもの凄く固くてタイトなギター音が好きだったので、ちょっと聴き「あれ?」という印象を持ったまま何度か聴いていた。でも、それが音量を上げるほどに、「いやいや、いいではないか」と。ドラムのちょっと拡散した印象も、大音量の中ではバンドとしてのまとまり感や、逆に音圧を感じる空気感となって心地よく。これは怪我の功名といっていいのかな。
藤井一彦ソロでもやっていた『今を行け』もバンドでは違った表情があり。
『美しき人よ』の旋律の優しさ美しさも際立っていて。
ギターのリフがモロ好みだった『俺としたことが』。
それにしても『YESTERDAY ONCE MORE』のカバーという変化球だったな。
ソロのムーンリバーといい、こういうの好きなんだろうな〜。
『BUDDY』ってSPARKS GO GOの曲だったんだな〜。
最後に『君を呼んだのに』でまたまたまた忌野清志郎の曲が。
声域はぜんぜん違うけど、藤井さんの気迫はキヨシさんが乗り移ったかのようだ。
一通り聴くと、PAスピーカーの直前で2時間くらい爆音浴びたような状態になり、ああ〜すっきりした。
もちろん耳鳴りのボリュームも上がりっぱなしだけど。
グルーヴァーズみたいな音楽は、やっぱりライブだよな。
まだライブ行ったこともないのに。勝手に納得して確信する。
9月には福岡にやってくるらしい。ふふふ。
2009年03月14日
熱い13日の金曜日・・藤井一彦
楽しい夜になりそうだという昨晩の予想は大当たり。
現実生活でなにが起こっていても、やっぱりライブ行きゃあ幸せになれる。
外は嵐の中、藤井一彦弾き語りツアー@福岡 DREAM BOAT。
ここ1、2年でグルーヴァーズを好きになった「にわかファン」が、本気にさせられてしまった感じの今夜。
色々書こうと思っていたのだけど、どうもこの楽しさは表現しにくいなぁ。
とにかくギターが良かった。
音がイイ。骨に響くような固い音。
上手い。(あたりまえだけど、ホントすごい)
なんであんな無茶な弾き方で、最後まで続くのか?不思議だった。
もし自分だったら、2〜3曲で血まみれになって弦も2、3本切りそうな勢い。
手放しで楽しめた。大いに楽しいライブだった
会場みんなで歌って拳を振り上げて。
でも、どんなに大盛り上がりで曲を終えても、曲間に必ず丁寧にチューニングを行っていた。
そりゃあんだけ力奏すれば、狂うわな。
チューニング中にMC出来るようになるのが、今年の目標だあ、と言っていた。
それにしても、あんなアコースティック・ソロライブは経験なかったなぁと・・・。
CDでは少し抑え気味にきこえた歌声も、パワフルで熱くて。
そうなってくると、詩も喋りも動作もすべてに魅せられていく自分。
おおげさではなく。これは男惚れか?
でも、そんな藤井さん曰く、
今までSIONさんの後ろにくっついて歌わせてもらっていたけど、これで独り立ちです。だと。
SIONさん、どんだけ凄いの?
1回目のアンコールで、今レコーディング中だというGROOVERSのアルバム新曲を演ってくれた。
間違いなく名アルバムになると確信し、超先行予約を行う。
そして、とにかくTHE GROOVERS、そして藤井一彦について行こう、などと密かに決意する。
そんな熱くなった今日でした。
2009年03月03日
LAZY FELLOW / 藤井一彦
先日、Dr.Xに出会ったあの警固公園が、いつのまにか1日派遣村の地に変貌した様子をテレビニュースで目にする。今、のんびりサックス演奏を楽しむ場ではなくなったのは間違いないだろう。
つい2ヶ月前、会社を辞めるときに今となっては元同僚と交わした会話。
「これからどうするの?」
「ま、とりあえず派遣村でも入るかな〜」
「東京まで行く金あるの?」
こんな馬鹿話の記憶がよみがえり、罪悪感を覚えはじめる。
また、それか、今になってやっと気がついたのか?自分。
政治・行政には疎いので、いくら新聞・報道などでデタラメな記事を目にしながらも、なんとなく支持母体の力学、行政のさじ加減などがバランスを取りながら、うまく大多数の人々の利益に繋がるようなっている気がしていた。でも、そのバランスはちょっとした方向転換であっても、こんな蟻のような自分の身にとっては、その生活を左右しそうな事態なるなんて、あまりイメージできなく。これまでは。
何度も書いたかかもしれないが、目線の異なる社会が複雑に沢山あって、そしてそれぞれの思惑、保身による行動心理にも基づく綱引きがあり、その綱引きに引きずり込む側と、引きずり込まれる側、さらに綱引き自体に参加できない人々がいて。このやりとりをジャッジする審判と、その審判に影響を持つ興行主と、綱引きを賭博の対象として富を得る胴元もいそうで。
でも自分の正義は?と聞かれたら、
「目先の利益、幸福を追い求める」
と答えてしまいそうなので、あまり答えたくないのが情けない。
この2週間、新しい仕事のために走り回って情報を集めて、一気に夢膨らませ、はやる心をなんとか自制しつつ、それでもこれから放つ矢のため、弓矢の弦を引き絞ろうとした瞬間に水をかけられたような状態になってしまった。ビジネスのリスクを取る、なんて立派なものではないが、失敗、修正を余儀なくされた場合のイメージは心の中にあったはず。なのにイザ急展開に直面すると冷静ではいられず、落胆し、そして次第に怒りのようなものが浮かぶ。そして、軌道修正をも想定した準備を怠ってきた自分の愚かさをつきつけられ、そして慌てる。組織、企業の傘の中にいないと、な〜んて不安定なんだ。またひとつ実感する。
(これが今の自分の「現在地」)。
さあ明日は軌道修正だ。気分を変えよう。
自分の望む人生を生きていくのは難しいものだと思う。
ミュージシャン藤井一彦は、どんな現実の中で音楽を続けているのだろう?
人生山有り谷有り、熱く燃えがったり冷水を浴びせられたり。
自分の人生振り返ると、絶対この先も「クール」なイメージの生き方は出来ないだろうと諦める。
ならば「熱い人生」なら歩めるのか?歩めているのか?それもちょっと違うような気がして。
そうすると「クールな生き方」と「熱い人生」は、必ずしも対義ではないなぁと適当な理解をする。
そして、そのどちらも兼ね備えた生き方ができれば、それは幸せ?かどうかは別にしても少なくとも密度の濃い人生にはなりそうだなと。
音楽への熱とクオリティを保ちながら、それを継続する生活を守りながら活動する藤井さんの音楽が、自分に与える力について考えながら聴いてしまった。
少し前に手に入れて、まだ聴いてなかったCD。
このところバタバタしていたので、落ち着いた時にゆっくり楽しみたいと思ってお取り置きの1枚。
でも、結局不安定な自分の状態を解消したく、救いを求めるような思いになる。
LAZY FELLOW/藤井一彦
グルーヴァーズとはまたひと味違うこのソロアルバム。
1.HELLO LAZY FELLOW
2.確信犯的ストレイ・シープ
3.憂国の口笛
4.今を行け
5.ウェイティング・マン
6.MOON RIVER
7.clover
8.サムタイム
全編、ほぼ弾き語りに近いアコースティックギターでの曲々。
1曲のスタンダードカバー、1曲のオリジナルカバーの1曲を除いてオリジナルナンバーを聴かせてくれる。
曲がいい。ギターが良い。歌声がいい。
初めて聴く曲も、心にすーっとメロディーが入ってくる。
生ギター1本でも、疾走感といいノリといい、ロックそのもの。
「憂国の口笛」なんかは、藤井一彦でなきゃ出来ないようなカッコイイ曲。
どの新曲もGrooversで演奏するとどうなるのか?夢想してしまう。
The Grooversのセルフカバー「ウェイティング・マン」は、アコースティックにしてもこんなにカッコイイ曲だったのか!という思い。
「カッコイイ」連発なんてつくずく語彙貧困だと恥ずかしいが。
唯一他人の曲になるのは、オードリー・ヘプバーンの映画『ティファニーで朝食を』の『ムーン・リバー』。
今まで聴いたことがないドライなギター&ヴォイスのムーンリバーに仕上がっている。
こんなに美しい曲を、まさにcool!に仕上げるセンスはさすがだな〜。
それにしても、Grooversのアコースティック、ムーンリバー・・・なんかノスタルジックな感情が入ってないわけではないが。いわゆるロックミュージシャンのアコースティック版とは、緊張感が違う気がした。
3月13日、ライブに行く予定。楽しみ楽しみ。