石橋凌
2008年11月24日
風音(KAZAOTO)vol.2 第二夜
開演が17時で、終わりがだいたい22時。
自分の体調がいまいちだということを差し引いても、5時間が終わった後のこの虚脱感。
ああ、ライブって水ものだなと深く感じた夜。
大好きなミュージシャンが何人も出演して、最高のパフォーマンスを味あうことができたとしても、ひとつのライブ全体として感じる満足感は別物なんだな。
本当だったら今頃はまだ天神の夜を謳歌していたのかも。でも、そんな余韻に浸る気持ちの高ぶりがキレイに冷やされて、そして家路についた。
自分のい記録として、細かい内容をブログに残そうと思っていたけど、それもやめておきたい。
印象的なシーンだけ、かい摘もうと思う。
『ピース』の初々しさと可能性のきらめき。
観客も含めて、自分の親やそれ以上かもしれない年代のオーディエンスの前で、一番手に登場して堂々と大役をこなした。観客のみんながこの20歳と16歳の2人に対して、「大事に育って欲しい」と願ったのではないかと思う。
『THE KIDS』をライブで見たのは十数年ぶりかな?桐明さんもキッズも切れがあって、年月が過ぎていることを忘れてしまうようだった。「1945年の彼に」が聴けてよかった。
『アンチムジカ』は、はじめて見たバンドだけど、おもしろい失敗を演じてくれた。「じゃあ次の曲!」と言ったあと、いまやったばかりの曲の出だしをまた演奏しだした。緊張していたのだろう。でもそれ以外の演奏はしっかりしていたと思う。
『水戸華之介』の癒されないアコースティックバンドは、今日一番のインパクトだった。笑いと演劇と音楽と詩の世界が渾然となって、いつまでも高いポテンシャルを持った人だなぁと思った。天井裏から・・・で盛り上がって終わりだと思ったのに、最後に衝撃のパンチをくわされてしまった。ホテルカリフォルニア”親父が死んだバージョン”は、今後そう簡単に忘れられないだろう。
今度は中谷ブースカも一緒に見れたらいいなと思った。
『石橋凌+伊東ミキオ+池畑潤二+渡辺圭一』
石橋凌の「魂こがして」がまた今年も聴けただけで満足。
それにボーナスとして池畑潤二のドラムをまた体感することができた。
どうしてあの人は、あんなに心を掴むドラムを叩くことができるのか?初めてルースターズを聴いた時から今日まで、魅せられ続ける。この人以上のドラムをまだ聴いたことがない。
それにしても石橋凌と池畑潤二のセンターラインの迫力はなんなんだ。フランク・シナトラの後ろについているマフィアみたいな構図。もうついていくしかない。
凄いアーティストを目の当たりにすると思う。あちら側にいくことは出来ないんだな、自分は、などと。
最後の「心の旅」が流れるころには、すっかり気持ちがクールダウンしている事態が、なかなか受け入れられなかった。
「心の旅」が名曲であることは間違いない。
でも、自分も岸川均さんの関係者だったら、もっとライブを楽しめたのかもしれないし、同じ想いを共有することができたのかもしれない、と思ったら少しさびしかった。
サファリパーク状態と化したらしい第一夜に行けなかったことが、返す返すも悔やまれる。