2007年11月22日
嘉手苅林昌「唄と語り」
嘉手苅林昌 唄と語り
天才、嘉手苅林昌と、鬼才、高嶺剛とのコラボで生まれた快作だと思います。
沖縄の魂、島唄の神様と称される人間・嘉手苅林昌(カデカル リンショウ)を静かに描かれていて、沖縄音楽を語る上では重要な映像になってくるのではないかと素人ながら感じてしまいました。
作中、同じ島唄の女王と言われる大城美佐子との語らいも印象的でした。
沖縄の文化としての島唄を守って行きたいという気持ちと、沖縄の人々にとってその時代時代での日常や教訓を語り伝える術であった島唄が時代に合わせて形を変えていく、ということへの理解。
沖縄音楽、琉球民謡の行く末を本当に大切に見守りたいという気持ちが感じられて、感銘を受けました。
そして何よりも素晴らしいのが全編で演奏される林昌さんの三線と唄です。
年を重ねていかなければ出ないであろう歌声の味わいと深み。
決してピッチは正確だとは思えないのに、どうして琉球民謡はそれが味わいに変わるのでしょうね?
さらに引き付けられたのが彼のクールなルックス。
相当遊んできた人なんだろうな。
あれだけ年をとっていてもなお現役の香りがしていいですね。
でも残念ながら、1999年に亡くなっているとの事。
見たかった、聴きたかった、生の林昌さんを。