2009年07月
2009年07月15日
HOCUS POCUS / 木村カエラ
ゼクシィでの『butterfly』のあの歌声が気になってしかたなく、聞いてしまった木村カエラ『hocus pocus』。
しっかり聴いて、やっぱり間違いなかったと確認した。イイ曲だなと。
作曲は末光篤とクレジットされている。
この人SUEMITSU & THE SUEMITHなんだということを初めて知る。
「のだめ」の主題歌のあのピアノ!曲の終わりの音が、「ああ、あの感じだ」と自分の中でつながった。
転調の感じや盛り上げ方なんかきっちりしていて、そうか、自分はこういう作りの曲が好きなんだなと今さらながら気づかされる。
木村カエラの印象は、モデル出身ということもあるのかもしれないけど、スタイルや髪型に意識が行きがちで。なんとなく奥田民生とのコラボやサディスティック・ミカ・バンドのタイムマシンにおねがいといったイメージが強すぎて、ちょっとおじさん達のアイドル的な位置にいるように思っていた。そういえばタモリ倶楽部でも、その存在になんの違和感も感じなかったりもして。もちろん勝手な思いこみなのだけど。
このアルバムでも、「Dear Jazzmaster '84」「Phone」「どこ」「BANZAI」と楽器も曲調も種々のスタイルの曲が盛り込まれているけど、全曲を通じて一貫して強い個性が感じられるのは、さすが。
全曲の歌詞を自身で作詞していることを考えると、あのテンポ良く歌にノセる言葉の数々に、やっぱりミュージシャンとしてすごいんだなぁと。
なるほど、ちちんぷいぷいの魔法をかけられてしまっているだろう自分。
ところで、木村カエラの出身を広島だと思いこんでいたのだが・・・。東京生まれ、東京育ちだということをwikiで知る。奥田民生やPerfumeとのつながりで、広島出身なんだろうと、これも勝手な思いこみで。映画ホームメイド10.30の印象も強く残っていたのもあるかもしれない。
(あの広島弁は、地元の人が聞くと違うことがすぐわかるのかな?)
こんなふうに人のイメージって、好き勝手に作られていくんだろうな〜。
2009年07月12日
あいのわ / ハナレグミ
日曜日の昼下がり、なんとくつろげる音楽だろう。ハナレグミ。
とにかく平和な気分に、穏やかな気持ちにさせてくれる。
最新アルバム『あいのわ』というタイトルにはじまり、
『愛にメロディー』
『PEACE TREE』
『大安』
『あいまいにあいまい愛のまにまに』
『あいのこども』
といった曲名だけとってしまえば、なんだかえらく目出度いような、気恥ずかしいくらいに思ってしまいがちだが、自分のようなオヤジが聴いていても自然と感情移入できてしまうマジック。あの永積タカシの奇跡的な癒しの声にのせると、どんなべたべたしたテーマでも、さらりと臆面もなく受け入れることができる。
それにしても、もしハナレグミが結婚披露宴なんかにシークレット・サプライズで突然現れ、そしてギターで弾き語ってもらったりしたら、ハナレグミを知らない女性でも泣きだしてしまうのではないかな?
聴いていて思い出したのが、あの改心作「帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。」を良く聴いていた、情緒不安定だったころのこと。あれも確か梅雨時だったような?とにかく、へたな精神安定剤よりもずっと心をときほぐしてくれ、落ち着かせてくれる音だった。
あのアルバムの「男の子女の子」なんかは、矢野顕子がカバーしたBOOMも「中央線」のごとく、くるりが生み出した素材をつかって、見事に自分の世界に引き込んでいたものだ。
今回のアルバムでも唯一のカバー曲で、『PEOPLE GET READY』が入っているが、これがまた良い味を出している。ロッド・スチュワートが歌っていたのを久々に聴いてみたくなってCDを探すものの、ロッドのCDは1枚も持ってないではないか!。すごく自分の中に染みついている音楽だと思っていたが、ずいぶん昔から耳にしなくなっていただろうということに、ちょっと驚く。
それにしても、早く配線つないでアナログ盤の掘り起こしもじっくりしたいな〜。
アルバム後半には原田郁子による作詞曲が何曲かあり。
そういえば、ユニットも組んでいたと思うが、今は活動しているのかな?
なんとなく世界観やにじみでる人柄に共通項を感じてしまう2人だと思ってしまった。
その他にも、東京スカパラダイスオーケストラ(またここにも!)、スチャダラパー・BOSEも彩りを添える。
「…がしかし」のフレーズがいつまでも耳に残る『…がしかしの女』、初めて聴いたけど、マダムキラーのブルースなギター&シャウトにも興味をそそられた。
で、良い曲が揃っているこのCDだけど、なんといっても『光と影』は最高だった。
愛と平和に充ち満ちたなかに、その中心に位置する光りと影の歌詞が、
このアルバム全体をぎゅっと引き締めた感がある。
ほんと、いい。
だれでもない どこにもないぜ
僕だけの光りと影
光りの先の闇を見に行こう
光と影
だれでもない どこにもないぜ
僕だけの光りと影
闇の先の光りを見に行こう
光と影
聞かせてほしい 君の中にある
光と影
http://netafull.net/music/031209.html
2009年07月07日
山下洋輔〜題名のない音楽会〜七夕
一昨日の「題名のない音楽会」、山下洋輔トリオの二週目。
楽しかった〜。よかった〜。
山下洋輔、坂田明はもちろんのこと、森山威男の格好良さに惚れてしまった。
断腸の想いで前々日のカルマメン・マキのLIVEを断念させられ、調整能力の無さ、ふがいなさに傷心だった自分だけど、これでちょっとライフパワーを回復した。
しかし、もういちょい近所でやってほしかったな〜。カルメンマキさん。
椎名林檎のSONGSもそうだったけど、最近は、音楽番組でど真ん中のミュージシャンが出ていて、それが丁寧な作りで音も映像も良い、という幸運に巡り合うことが以前より増えたこの状況に、世の中の、強制的な地デジ促進や、薄型エコテレビ(それも大きいほど見返りが多いなどという矛盾・・・)の購入促進など、なんかのちょっとうさんくさい流れであることも、もう批判するモチベーションなど上がるはずもない。
ただいい音、良い画像を提供されれば、多少の主義主張や犠牲もどうでもよくなる「都合のいい」男である。自分は。
『乙女の祈り』
『トリプル・キャッツ』
・・・だったかな?
今回は燃えるピアノの話しや、元全中連会長の醤油疑獄の話しがあまりに面白く、2日たって曲の内容が少しあやふやになってしまった。
でも、初めて観た山下洋輔ニューカルテット。
もちろん坂田明や森山威男とのトリオには貫禄で及ばないものの、山下さんの常に新しい刺激的な音楽を求めるどん欲な姿勢と、次の世代へのバトルとエールがこのカルテットにつめられている気がした。
ところで来週の「題名のない音楽会」は、時の人、辻井伸行氏が出るらしい。
佐渡裕とのトークも興味深いので、また観たいな〜。
☆☆☆
ところでところで、今日は七夕だということを知る。
子供を中心としたコミュニティーに接点がない今の自分にとっては、ことさら何をするでもなく。
日本の伝統行事に関われないのは、ちょっとさびしい気もする。
なので、気休めにこのアルバムの一曲『Tanabata』でも聴きながら、心の中になにか願い事の短冊を掲げることにしようっと。
内容は秘密だけど。
2009年07月02日
椎名林檎 SONGS<第二夜>
例によって絶妙のタイミングで猫柳から携帯メールが届く。
「椎名林檎のSONGSを観るように。」という指示だ。
先週に続いての第二夜になる椎名林檎のSONGS。
今回は松尾スズキ氏とビブレでお待ち合わせ。その後中州で屋台デートという設定で。
林檎さんを見つめる松尾スズキ氏は、緊張なのか入れ込んでいるのか、それとも演技なのか、それはよくわからないけど、その眼はなんだか本気でしゃれにならない雰囲気を出していた。
作品の創作について語り合うなかで、
「書こうとする意識はない、物語を作り上げるのではなくて、感じる場面を切り取るっているだけ」
という林檎さんの言葉が良くて、印象的で。
「それは女はみんなそうだから」という言い切った説明は、謙遜かはぐらかしていたのかもしれないけど、妙に説得力があり。
(曲目)
「密偵物語」
「流行」
「歌舞伎町の女王」
「旬」
第一夜での感想がそのまま繰り返されたのだけど、
ライブでの歌でありながら、その完成度、演出力、技術力は、唯々驚きだ。
「密偵物語」「流行」の作り込まれたキャラクターは芸術的で。
ラップがこんなにもマッチするとは思ってもみなかった。これも驚きの一つ。
「歌舞伎町の女王」は、もうそのまんま女王の風格が出ているし。
斉藤ネコアレンジの「旬」の高品質な響きと広がりも、彼女の新しい引き出しを開いてくれた感あり。
ピアノの市川秀男、ベースの高水健司というバックのプレイも、こうやって映像で観ると深みが出る。
あの派手なリングをはめた指で、渋く余裕の演奏のピアノが特に印象的だった。
「ありあまる富」発表からの一連のお祭り騒ぎの止めを刺されたような今夜。
とても興奮のひとときでした。