2009年08月24日
色即ぜねれいしょん

みうらじゅん、田口トモロヲといえば『アイデン&ティティ』の組み合わせで、
期待が高まるこの映画。『色即ぜねれいしょん』。
演者の中には、またまた登場の銀杏BOYZ・峯田和伸の他、くるり・岸田繁までも含まれ、これは観ないとダメでしょう、という感じで。そして、その期待を裏切らないだけの内容に、いやよかった。楽しかった。
「青春ってなんやろ?」、「行かへん?旅」、「音楽は武器やろ」、ということ。これに集約されてて。
この映画は、男の子、女の子、世代の違い、趣味の違いで共感度が大きく別れるかもしれないとは思うけど、ロック好き非体育会系の少年時代を送った人にとっては、ここも、あそこも、あんなことも、こんなことも、それ、オレのことやん!と言いたくなるような気恥ずかしい甘酸っぱいことばかりではないだろうか。
思わず黒猫チェルシー・渡辺大知演じる主人公の「純」に感情を乗っけてしまった。
原作者みうらじゅんや、映画を撮った田口トモロヲが、こんなにも悶々とした少年時代の物語をリアルに表現出来るということも凄く。
きっと大人になっても基本的には十代の頃に思い感じた事は、そう簡単には無くならないのだろう。
「この映画は、“文化系ルーキーズ・卒業できない”、あるいは“余命70年の童貞”というような作品です。」(田口トモロヲ)・・・これには笑ってしまう。
峯田和伸のはまった役者っぷりも良かった。でもそれにも増して、岸田繁の胡散臭いヒッピーぶりが良く。役者としても十分面白いじゃないかと。新しい発見。おかん・堀ちえみ、おとん・リリー・フランキーも良い味を出していたり、ひょっこり宮藤官九郎も出演していたりして。くどかんも「青春」「音楽」のキーワードにはよく絡んでくるな〜。意外だったがオリーブ役を演じた臼田あけ美がけっこう魅力的だったこと。「歌スタ!!」アシスタントのイメージしかなかったのだが、スクリーンの中では、それまで知らなかった女優の姿を見た。
青春音楽映画といってなんとなく思い出すのが山下敦弘監督の『リンダ・リンダ』だが、この色即ぜねれいしょんの脚本:向井康介が同じく手がけていたことも知る。そういえば山下敦弘『天然コケッコー』の音楽はレイ・ハラカミ、主題歌くるり、こんなところでもつながりを感じる。映画への共感は、そういったところからも醸し出されてくるのかもしれない。
ただ、アイデン&ティティもそうだったけど、ここでも出てきたのが『ボブ・ディラン』。
みうらじゅんの原作だから、当然のなりゆきなのだろうけど。「非体育会系」ではあっても「超文化系」ではなかった自分にとって、ボブ・ディランを通過してこなかった事だけが、ちょっと心残りでもあり。
でも、それが今の自分をカタチ作っているのだから、それはしかたないのかな。
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この記事へのコメント
1. Posted by Maya 2014年02月20日 11:00
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