2009年07月20日
情熱大陸 斉藤和義
斉藤和義は、しがない歌うたいと自らを評価する。
その言葉自体がどれだけカッコイイかということを、ご本人はあまり意識してはないのかもしれない。
ミュージシャンにとって、自分自身をいかに演出するかは生命線のようなもので、その方向性をストイックに維持できる人やバンドは、それを維持した期間だけ深みを増していき、音楽家としての成長があるに違いない。
それはある人は歌詞の世界に向いたり、ルックスやファッションイメージに向いたり、楽器のテクニックに向いたり、うまく歌うことに向いたり、良い曲を作ることが一番の重みであったり、または観客、ファンをいかに楽しませることに力を注ことであったり、どれでもいい。
もちろん、その方向と才能がうまくマッチしないまま、いつまでもくすぶり続ける人が大半なのだろうけど、それでもくさらず続けること、熱意を失わないことによって可能性を残すことは、それ自体を生きる目的にまで昇華できれば人生御の字ではないだろうか?
ミュージシャンにかかわらず、物造りにかかわらず、仕事というものにとって継続することによる蓄積は、結果的に生き方の質に転化していくだろうことを斉藤和義を見ていて感じた。自分もたぶんそうありたいと感じたのだろうと思う。そしてちょっとした焦りと同時にやっぱり嫉妬も感じた。
「(音楽を)続けることが自分の才能だ」と自らを分析していた。
狭いスタジオに籠もって、楽器全てを自分で演奏して、細かい細かいオーバーダビングによる音楽を構築していく作業は、苦痛よりも楽しみが大きくないと精神がもたないであろう。間違いなくその作業に充実と喜びを感じている姿は、積極的に才能を発露する姿でもあり、それを職業とする幸せな人間の姿を見出すことが出来る。
キャリアのスタートとなるカセットテープに録音された「僕の見たビートルズはTVの中」は、これから音楽で生きていくことに何の迷いもないかのような意志のこもったしっかりした音で、その後の「歌うたいのバラッド」を通過して、現在制作進行中の曲「映画監督」に到るまで、淡々としていながら熱く歩み続ける様を記録するこの番組「情熱大陸」で見ているうちに、共感とともに次第に前向きな気持ちが湧いてくるのを感じていた。9月にアルバム『月が昇れば』がリリースされる予定だとのことだが、この「映画監督」という曲も入ってるのかな?楽しみにしたい。あ、その前にシングルが出るのか。「愛の灯」もゆっくり聴きたかった。
ところで、放送の中で嫁さんの話しをしていたけど、斉藤和義さんって、結婚してたんだな。
独身だと思いこんでいたので、へ〜そうなんだぁ。